
「富嶽三十六景」などで知られる江戸の浮世絵師、葛飾北斎。
北斎の作品の中に「諸国名橋奇覧 三河の八ツ橋の古図」があります。
この作品を見て違和感のようなものを感じたあなたは観察眼が鋭いかも知れません。
人物と持ち物の笠などが際立って見えませんか?
これは背景などが遠近法で描かれているのに、人物の大きさがほぼ同じサイズで描かれているため。
さらに人物に注目してみると、丸い笠を持った人物が特に目立ちます。
丸い笠と一番右端の蓑を身につけている人物を点と線でつなぐと見覚えのある図形が浮かび上がってくる。
ご覧のように北斗七星が現れます。
「葛飾北斎」と「北斗七星」には、深いつながりがあります。
北極星や北斗七星を神格化した妙見菩薩信仰という仏教を葛飾北斎は信仰していたとされ、妙見菩薩は別名を北辰菩薩とも言います。
北辰菩薩の北辰とは北極星のことであり、葛飾北斎の「北斎」はこの「北辰」からきているとされています。
妙見信仰の葛飾北斎が自身の浮世絵に隠れ北斗七星を描き込んでもなんら不思議はありません。
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