リンゲルマン効果とは社会的手抜き効果とも言われ、人が集団行動や共同作業を行うときに無意識のうちに手抜きをしてしまうこと。
集団が大きくなればなるほど、「他の誰かがやってくれるだろう」と思うことによって無意識に一人の出す力は弱くなる。
ちなみに、「リンゲルマン」とはこの効果を発見したドイツの心理学者リンゲルマンに由来する。
▼綱引き実験で実証されたリンゲルマン効果
綱を引く人数によって一人が込める力はいかに変動するのか?
1人の時は100%の力で引っ張る
2人では93%の力
3人だと85%の力に低下
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8人で49%と五割を切る結果となった
1人の時には100%の力で綱を引いていたのに、8人になると全力の半分以下になってしまう。
▼アメリカの心理学者・ラタネの実験
被験者とサクラを別々の部屋に入れ、インターホンごしに会話をさせます。
その話の途中にサクラが急に苦しみはじめると、何割の被験者が助けにいくかを調査。
被験者とサクラが2人きりの場合 100%
被験者の部屋に見ているだけのサクラを1人追加した場合 85%
見ているだけのサクラが4人いる場合 62%
▼キティ・ジェノヴィーズ事件
1964年、アメリカのニューヨークの某アパートで女性が婦女暴行にあい刺殺されたといういわゆるキティ・ジェノヴィーズ事件が発生。
彼女(キティ)は殺されるまでに30分以上かかっている上に、38人ものアパート住民が目撃していながら誰も通報や助けることなく彼女は見殺しにあった。
「誰かが助けるだろう」「誰かが通報してくれるだろう」と皆が思うことで、現実では誰もアクションを起こさないという集団心理の恐ろしさを表す一例である。
他にも、例えば電車内での痴漢行為。
被害者がHELPのシグナルやサインを出していても周りの乗客は見て見ぬふりをすることがある。
これもリンゲルマン効果の一例と言えるでしょう。
困っている人がいても都会の人は無関心で冷たいなどということもよく聞かれるが、これも同様の群集心理が働いているものと思われる。
都会は田舎よりも人口密度が高いので自分がやらなくても「誰かが」という心理が強く働き、気づきながらも自分は見てみぬふりをしてしまうこともあるのでしょう。
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