
生あるものはいずれ死ぬ。
あたりまえのことですが、そんな常識をひっくり返す生物がいる。
ベニクラゲ(学名:Turritopsis nutricula)こそ不老不死生物。
花クラゲ目クラバ科のクラゲの一種で、大きさは1ミリに満たない程度。
名前の由来は、全体は透明だが生殖腺が赤いことからベニクラゲになった。
仮説ではあるが理論上、5億年以上生きているものがいてもおかしくはない。
誤解があるといけないので説明しておきますが、ベニクラゲの不老不死とはベニクラゲが死んでも(正確には縮んで死んだような肉団子状態)→植物の根のような役割を果たす走根(ストロン)が伸び始める→ポリプ(刺胞動物の基本形)に変化→48時間(2日)で復活する。
この時、DNAがまったく同じなので不老不死ということである。
つまり、人間で例えるとご老体になってもう死にそうというときに若返り、また赤ちゃんから生き続けるというサイクルを無限∞で行えるということで自然死がない生物と言える。
この事実はイタリアで研究用に飼っていたベニクラゲを放置してしまっていたところ、死ぬどころか逆に若返っていたことから偶然発見された。
そもそもベニクラゲの全個体が不老不死な訳ではなく、特定地域(地中海や日本近海)のベニクラゲが進化の過程で獲得した特殊能力なのです。
▼ベニクラゲの若返り現象
成体(雌雄異体の成熟クラゲ)が有性生殖し、受精卵から育ったプラヌラ幼生が、 岩などに付着して走根を伸ばし、そこから若い世代のポリプ個虫が多数伸び上がり、 無性生殖で増えていく。
普通、有性生殖後の成体は死を迎えて溶け去るが、 ベニクラゲは溶けずに肉団子状になり、再び走根を延ばしポリプへと若返る。
このポリプがクラゲ芽を形成し、やがて若いクラゲとして分離して泳ぎ出す。
このサイクルを繰り返すことから不老不死と言われる。
<2010.5.20 追記>
和歌山県白浜町臨海、京都大学瀬戸臨海実験所の久保田信准教授(58)は、「不老不死」の研究材料として注目されるベニクラゲの若返り実験で、世界記録を更新する6回目の若返りをこのほど成功させた。
(紀伊民報)
0 件のコメント:
コメントを投稿