ガラスはあんなに固いんだから固体でしょ?と思われる方がいるかもしれませんが、科学界では一時、固体説と液体説両説があるのです。
そもそも固体とは、微視的には分子が結晶的な規則正しい配置に収まって移動しない(流れない)状態を意味します。
しかし、ガラスを構成する分子は規則正しい状態には収まっておらず、非常にゆっくりではありますが移動し(流れ)続けているように見え、例えば窓ガラスが知覚できる程度に流れるには千年以上かかるとも言われています。
これによってガラスは本当に固体なのか議論を呼んでいたのです。
京都大学の山本量一教授(化学工学専攻)らのチームは、コンピュータシミュレーションと情報理論とを組み合わせた研究を行い、ガラス状態にある物質中では固体的領域と液体的領域が混在するものの低温・高密度になるほど固体的領域のサイズが増大し、その領域では分子がある特定の幾何学的構造(例えば正20面体)に組織化されていることを発見しました。
この結果はガラスが確かに固体であることを示す有力な証拠。
ガラス固体説が一歩リードといったところでしょうか。
論文:ガラスは本当に固体か?(PDF)
0 件のコメント:
コメントを投稿